ぬめりや滑らかな質感を持つ海藻は、緑、赤、茶色などさまざまな色合いがあります。独特の海の香りを持つこともありますが、その健康効果は近年あらためて注目されています。
食用海藻は、英語圏では一般に “macroalgae(大型藻類)” と呼ばれます。見た目は水中植物のように見えるかもしれませんが、構造的には本質から異なります。海藻類は、比較的単純で、茎や花、葉、樹皮など植物のように複雑で多様な組織はありません。
科学者によれば、世界には最大約3万種の海藻が存在するとされており、それぞれに独自の外見、風味、成長する季節、そして栄養価を備えています。
海藻は主に色に基づいて、3つの主要な分類群に分けられます。多糖類と呼ばれる長鎖の炭水化物分子によって決まり、それぞれの大型藻類に独自の特徴を与えます。
褐藻類に含まれる主要な多糖類には、アルギン酸(アルギネート)とフコイダンがあります。紅藻類では、アガー(寒天の主成分)やカラギーナンといった多糖が豊富で、緑藻類には主にウルバンという多糖類が含まれます。
食品産業では、これらの多糖類の一部がゲル化剤や増粘剤として広く利用されています。その他の多糖類は、製薬や化粧品産業において、創傷治癒の促進成分や乳化剤などとして応用されています。
アルギン酸を除き、大型藻類に含まれるすべての多糖類は硫酸化されており、複雑な糖鎖が負に帯電しています。この性質により、抗凝固作用や抗血栓作用、抗炎症作用、抗がん作用、抗酸化作用といった健康効果が期待されています。
ある種の海藻(大型藻類)は、葉が最大60mにまで成長することがあります。わずか数ミリメートルの大きさしかないものもありますが、いずれも海洋環境で育つ多細胞生物であり、肉眼で確認することができます。
微細藻類は主に淡水環境で育つ単細胞の微視的な植物性生物です。よく知られている代表的な種類にはスピルリナやクロレラがあり、これらは市販の栄養補助食品として、カプセルなど手軽な形態で提供されています。
持続可能な方法で収穫された食用海藻は、私たちの食卓にはすでに馴染みのある存在ですが、その豊富な栄養と健康促進成分があらためて注目されています。特に、栄養バランスの改善や不足しがちなミネラルの補給源として、今後さらに見直されていくかもしれません。
海藻はヨウ素の代替的な供給源を提供し、腸の健康をサポートし、血糖値やコレステロールの改善に寄与し、心血管系の器官や組織の機能を助けます。
大型藻類が私たちの健康にとってなぜ貴重なのか、詳しく見ていきましょう。
「一部の人々は、工業的に加工されていない自然な供給源から十分なヨウ素を摂取するために海藻を食べています。海藻にはヨウ素が豊富に含まれており、そのヨウ素は体内に吸収されやすいのです」と、メインコースト・シーベジタブルズ社の科学顧問スティーブ・エディ氏はエポックタイムズにメールで語りました。
シーフードウォッチのウェブサイトによれば、日本原産の昆布は、1食分(乾燥海藻7g)あたり、1日摂取基準値の約93.33%に相当するヨウ素に加え、13%のマグネシウムと14%のカリウムを含んでいます。
乾燥海苔は、1食分(7g)で1日摂取基準値の98%に相当するヨウ素を供給します。ワカメ(褐藻)も同量で、1日摂取基準値の約75%のヨウ素を含んでいます。
甲状腺はヨウ素を必須微量元素として使用し、甲状腺ホルモンを合成します。これらのホルモンは、成長、発達、代謝など、体の主要な機能を調整する役割を担っています。
ただし、消費者は、ヨウ素の不足だけでなく過剰摂取も健康に影響を及ぼす可能性があることを理解しておく必要があります。
長期間にわたり高用量のヨウ素を摂取すると、ヨウ素中毒を引き起こす可能性があります。症状には発熱や消化器の不調、皮膚の刺激、さらには心血管系や神経系の疾患が含まれます。
アメリカ国立衛生研究所は、成人に対して1日あたり150mgのヨウ素摂取を推奨しており、妊娠中および授乳中の女性にはやや多めの摂取を勧めています。また、ヨウ素の重要な食物供給源の一つとして海藻を挙げています。
ヨウ素に加えて、マクロ藻類はビタミンA、マグネシウム、鉄分をはじめ、健康維持に欠かせない23種類の必須栄養素を豊富に含んでいます。エディ氏は、海藻が特にミネラルに富んでおり、多くの他の食品よりもグラムあたりのミネラル含有量が多いことを指摘しています。
陸上植物に含まれる炭水化物とは異なり、海藻の炭水化物の多くは消化されにくいですが、実験室での研究では抗菌、抗炎症、抗肥満などの有望な効果が示されていると、エディ氏は述べています。また、海藻は健康的な腸内細菌叢の形成を促進し、プレバイオティクス(腸内細菌の増殖に必要とされる栄養成分)としての役割を果たす可能性もあります。
実際、プレバイオティクスの特性と食物繊維はどちらも消化器系の健康を促進します。
前者は結腸内の有益な細菌の増殖を促進し、後者は規則的な排便を助け、排泄をサポートするとともに、便通のスピードアップにも役立ちます。
特に、褐藻には腸壁の修復を助ける特別な能力があると考えられています。また、2022年に『International Journal of Molecular Sciences』誌に掲載されたレビューによると、褐藻は免疫細胞や血球の成長と活動を調整する小さなタンパク質である炎症性サイトカインの抑制作用を持っています。
こうした消化器官への幅広い健康効果は、食事に起因する健康問題の改善にもつながります。海藻は血糖値とコレステロールの調整を助け、糖尿病や高血糖症の方の健康維持をサポートします。
消化器系の健康が良好であることは、微量栄養素とマクロ栄養素の効率的な吸収を助け、2024年の『Marine Drugs』誌のレビューによると、心血管系の健康維持に欠かせない要素であるとされています。
食用海藻は、血液凝固や心臓の健康に欠かせないビタミンKを豊富に含んでいます。
ビタミンKは自然界で主に2つの形態で存在し、そのうちの一つが大型藻類に含まれるフィロキノン(K1)です。近年、ビタミンKの抗酸化作用や血管疾患の進行を遅らせる効果についての研究が盛んに行われています。
重要なこととして、抗凝固剤、特にワルファリン(クマジン)を服用している方は、海藻などヨウ素を多く含む食品を摂取する前に必ず医師に相談してください。
藻類は酸化ストレスを軽減し、心血管疾患のリスクを低減します。2024年の研究では、「心血管疾患のリスク増加に関連するとされる血管の石灰化を防ぐ」と報告されています。
したがって、日常の食生活において海藻は、心臓の健康を促進する機能性食品と考えられます。
メインコーストシーベジタブルズ社のゼネラルマネージャー、セラフィナ・エルハート氏は、寒い日にはアラリア海藻と小豆の温かい鍋を、夏にはダルス(海藻の一種)とアボカドのグリルチーズやツナ風サラダなど、キッチンで海藻を使った料理を楽しんでいます。
食用海藻を食事に取り入れるのは簡単で、店で乾燥品を購入して料理に加えるだけです。例えば、乾燥昆布のフレークはグリーンスムージーに最適で、乾燥したダルスのパウダーはシチューやサラダなどで塩の代わりに使うことができます。
エルハート氏は彼女のお気に入りのレシピを共有しました:スモークダルスとアボカドのグリルチーズサンドイッチです。
材料:
作り方:
ダルスはチーズとアボカドの間で柔らかくなり、食べやすくなります。どうぞお楽しみください!
一部の海藻種は、石油残留物や農薬、除草剤、重金属、放射能などの環境汚染物質によって汚染されていることがあります。
信頼できる供給元から購入し、重金属検査などの品質管理が行われている製品を選ぶことで、長い間消費者に安全に提供されてきたことを確認しましょう。
(翻訳編集 日比野真吾)
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