総務省 電波オークション制度を創設へ 改正法が成立

2025年4月18日、電波法及び放送法の一部を改正する法律案が賛成二二〇、反対一八にて参議院本会議で可決された。(提供:参議院インターネット審議中継)

2025/04/19

更新: 2025/04/19

総務省は、通信用電波の割り当て方法として価格競争による「電波オークション」制度を新たに導入することを決めた。これを盛り込んだ電波法および放送法の改正法が、4月18日の参議院本会議で可決・成立した。新制度は2025年度末にも創設される予定であり、まずは高速・大容量通信が可能な「ミリ波」と呼ばれる高い周波数帯が対象となる。

これまで日本では、携帯電話などの通信用電波の割り当ては、事業者の事業計画などを総合的に審査する「比較審査方式」が主流だった。諸外国では既にオークション方式が導入されており、日本でもその有効性が議論されてきた。今回の改正法では、限られた資源である電波の経済的価値を明確にし、より有効な利用を促すことが目的とされている。

新制度では、入札で最も高い価格を提示した事業者に電波が割り当てられる。まずは28GHz帯などの「ミリ波」と呼ばれる高い周波数帯が対象となる。ミリ波は超高速通信が可能だが、電波が届く距離が短く障害物にも弱いという特徴があるため、スマート農業など限定的なエリアでの活用が見込まれている。一方、携帯通信などに使いやすい低い周波数帯域は既に逼迫しており、オークションの対象とはならない見通しだ。

2025年4月18日、電波法及び放送法の一部を改正する法律案が賛成二二〇、反対一八にて参議院本会議で可決され、頭を下げる村上総務相(提供:参議院インターネット審議中継)

今回の法改正では、オークション制度のほかにも、無線局の免許状や基幹放送事業者の認定証のデジタル化、電波利用料制度の見直しなども盛り込まれている。

電波オークション制度の導入により、電波の有効利用や透明性の向上が期待されているが、落札額の高騰によるインフラ投資の遅れや利用者料金への転嫁、特定事業者への周波数の集中による公正競争の後退といった懸念も指摘されている。総務省はこれらの課題に対応するため、制度設計の透明性や落札額の使途の明確化など、慎重な運用が求められるとしている。

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